茅の輪くぐりの由来               

茅の輪くぐりは、全国的に毎年六月三十日に行われる「夏越しの大祓」の神事の一つですが、次のような、神話に基づくものと言われています。
 神代のむかし、蘇民将来(ソミンショウライ)と巨旦将来(コタンショウライ)という二人の兄弟が隣り合わせで住んでいました。兄の蘇民将来はとても貧しく、反対に弟の巨旦将来はとても裕福でした。
 あるとき、素盞嗚尊(スサノオノミコト 当神社のご祭神)が旅の途中、行き暮れて巨旦将来の家を見つけ一夜の宿を乞うたところ、ミコトの姿があまりにもみすぼらしかったので、にべもなく断られました。困ったミコトは、蘇民将来の家を訪ねて宿をたのむと、貧しいなかにもかかわらず、快く宿と食事のもてなしをしてくれました。
次の日の朝、ミコトはお礼として蘇民将来の家族に小さい茅の輪を与え「これを腰に付けておれば、疫病から免れるだろう。」と言い残して去りました。
 その後、疫病がはやったとき、巨旦将来の家族は皆疫病に冒されて死に絶えましたが、蘇民将来の家族はいつまでも元気にすごし、子孫も栄えたということです。
 このような言い伝えから、茅の輪は夏の疫病除けの呪力をもつ祭具として、大きな輪はこれをくぐり、小さい輪は腰に付けるようになりました。

この言い伝えによると、当神社のご祭神の素盞嗚尊が、疫病除けのご神徳をお持ちであると昔から信じられていたことがうかがえます。
 この時期、社務所の受付で写真のような「茅の輪守り」をお頒ちしています。玄関、神棚などにお祀りください。